ロボット手術で用いてるアメリカ製のダヴィンチはとても頑丈で素晴らしい機械です。世界中で3000台を超えるダヴィンチ、日本でも400台が稼働しています。先週だけでも当院で5人のロボット手術をしましたが、私が医者になった35年前には考えもつかなかったことをやっているのだなーと思います。ダヴィンチも基本構造はこの20年間同じで、様々な改良が加えられ、現在は第4世代のダヴィンチを使っています。今後も改善が加えられていくのだと多いますが、当初から言われていたコストの高さだけは、あまり改善していません。それに加えて保険点数が抑えられていますから、経営の厳しい病院にとっては中々、手が出しにくいのが現状です。5G回線を使って、遠隔医療をやって、どこでも経験豊かな経験者が指導したり、実際手術をしたりは既に技術的には可能で、近未来には現実的になるかもしれません。このことで確かに医療の質を高め、どこでも最先端の手術をと言うことになるのかなと思います。しかし、コストが高いままでは中々、普及しません。遠隔医療の相手も高いロボットを買わないと何も出来ませんので。ダヴィンチを作った会社はリスクをとりながらロボット手術を実現し、これは本当に尊敬すべき会社・技術者だと思います。しかし、20年にわたり独占状態でしたので、止むを得ないことなのでしょうが、コスト面での改善は遅いのではーとも感じてきました。そこで、登場したのが日本製のHINOTORIです。日本製だから技術面では確かだろう、しかも随分、コストも抑えられるのでは?と言う期待が持てます。そこで昨日、実際にHINOTORIを操作させてもらえる機会を得て、行って来ました。結論から言うと、慣れは必要ですが、中身はダヴィンチと比較し遜色はなさそうで素晴らしいロボット手術機器だと思いました。コストについては今後の相談という段階ですが、ダヴィンチより高いということはなさそうです。現時点では神戸と名古屋で2台稼働していますが、実践で問題ないことが確認されつつ、コストが抑えられれば爆発的に普及する可能性もあるかもしれません。一術者としてはアメリカ製だろうが日本製だろうが手術に最も適したものであればどちらでも良いのですが、病院運営の観点からは、少しでもコストが、、、ですね。経営の方も勝手にやってくれるAIロボットが欲しいーーー!