手術、外来、病院運営などなど多忙な毎日ですが、読書だけは時間を見つけては継続しています。本屋さんに行くと、色々なランキングで「これが面白い」という広告・宣伝に溢れていて、それに乗せられて買うのにちょっと抵抗を感じますが、そうは言っても結局、ランキングの高めの本をつい買ったりしています。今回は本屋大賞翻訳小説部門1位になっていた「ザリガニの鳴くところ」デイーリア・オーエンズ著、友廣純訳、早川書房、を読みました。アメリカのノース・カロライナの湿地に住み、家族に見捨てられた少女が成長しながら、殺人事件に巻き込まれていく物語です。ザリガニが鳴くような、自然なままの寂しいところという意味のようです。アメリカの人里離れたというのは、日本では考えられない広大で、本当に何百キロと人の気配がないことで、日本の「ポツンと一軒家」のレベルではありません。よくアメリカをドライブしていて、こんなところに住んだら怖くて銃も持ちたくなるのではと思ったこともよくありました。この小説家はこの小説が初めての作品とのことで驚きましたが、久しぶりに感動しました。お勧めです。