病院の待ち時間

Dr. Ohori

病院の待ち時間

最近では当院もかなり外来患者さんが増えてきて結果的にお待たせする時間も増えてきて申し訳なく感じています。待合室は密にならないように椅子を少し離していますし、巨大な待合室ではないので、すぐいっぱいになってしまいます。待ち時間は常に問題で、大学病院時代は患者さんも早いので朝8時から外来を始めていました。もともと手術を朝から夜までやり、病棟の患者さんを診て、限られた日程で外来をしますので、その中で多くの患者さんを診ることに若干の無理があることも事実です。以前、都内ど真ん中の有名クリニックでVIP外来なるものをバイトでやっていた時期がありましたが、患者さんの予約は30分に1人、当然、時間通り行きますし、ゆっくりお話を聞けます。しかし、その30分のために患者さんは数万円払う必要があります。ニューヨークの有名ながんセンターの外来で検査をしていましたが、外来受付をすると順番が来たら鳴る小さい機械を渡され、広大で優雅な待合室で雑誌を見ながら待っているのですが、待ち時間が長くなるとブーイングで良く文句を言われました。しかし、医師の診察はかなり丁寧で時間をかけることが多いので、診察後は多くの患者さんは待ち時間のことは忘れてくれます。診察室内で医師が患者の予約を取ったり、薬をコンピュータに入れたりはせず、話を聞き、診察に専念しますので患者さんの満足度も違うのだろうと思います。医師は診察が終わると電話機でどこかに電話して診察内容を話します、それを聞いてカルテに記述するプロがいるわけです。その他の予約などは医師についた看護師さんがやってくれます。日本で良く言われる2時間待って1−2分診療の感じはないだろうと思います。ですから単純に待ち時間の問題だけではないのだと思います。ただ、この話こそ中々解決しない問題で、医師の仕事をサポートする体制を作るには膨大な資金が必要で、日本では現実的に無理なのかなと思います。予約時間の設定や初診の患者さんの時間設定や様々なことを検討はしていますし、さらに改善をしなければと思います。予約なしで直接来院される方をみない病院もありますし、紹介患者を前もって紹介する側の病院やクリニックからの予約を入れないとみてくれないところもあります。あまり、敷居だけ高くするのもいかがなものかと思うのですが、そうやって予約して行ってもさらに待たされるーと言うことになります。医療の本質から言えば、5分で終わる患者さんもいるけれど、何しろ命に関わる話もしますので長い方は30分〜もかかります。朝早く始めたり、夜遅くまで外来も不可能ではありませんが、医師が担当すると言うことは看護師さんも事務の人たちも一緒に長時間ということになり現実的ではありません。言い訳ばかりですが、改善する余地は絶対にあるはずです。多分、AIでそれぞれの予測時間を計算してもらい時間枠の中の入る人数を自動的に決めてもらうのも良いのではないかと想像しています。

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