尿失禁のタイプのお話をする前に、検査方法を説明します。尿失禁はお話をよく聞くと大体, どういうタイプの失禁か検討はつきますが、タイプが2つ、3つ重なることもあり検査で確認する必要があります。尿失禁の程度や水分の取り方などを確認するために排尿日誌をつけてもらうことがあります。数字で表すことでより客観的に状況がわかります。尿流測定で尿の勢いをチェック、すぐに超音波をお腹にあて膀胱内に残った残尿の量をチェックします。さらに女性の場合、内診と超音波検査、男性の場合は前立腺の大きさ・形を見るための超音波検査をします。これらの検査でほぼ状況はわかりますが、さらに詳細な検査として膀胱・尿道内圧検査をします。
また、臓器脱・前立腺(前立腺がんの疑いも含めて)の検査のためにCTやMRIをすることもあります。体への負担は少ない検査がほとんどですので、失禁で悩んでいる方はあまり恐れず受診して欲しいよ思います。
•1)排尿日誌
数日間の排尿状態を記録して頂きます。どのような時に尿が漏れるのか、1日の排尿回数や1回の排尿量、尿意切迫感などから、尿失禁の原因を推定して、その後どのような検査が必要かを分析する資料になります。
•2)内診・超音波検査
女性:内診台にて、膣の中に入れる超音波と会陰(膣の表面)からの超音波の検査を行い、尿道の過可動や骨盤底筋の動きを確認します。男性:超音波検査で前立腺の大きさ・形のチェック
•3) パッドテスト パッドをあて決められた運動をし、失禁量を測定します
•4)膀胱・尿道内圧測定
尿道から膀胱に細い管を入れて、その管から水を少しずつ入れて膀胱や尿道の圧力を測定します。尿をためる時や排尿する時の膀胱の圧力を測り、膀胱や尿道の機能に異常がないか調べます。
•5)尿流量測定
機械のついたトイレに排尿して頂き、排尿の勢いと時間を測ります。
•6)残尿測定(超音波検査)
排尿後に膀胱内の尿が残っていないかを超音波で調べます。