経尿道的前立腺吊り上げ術(ウロリフト)

Dr. Ohori

経尿道的前立腺吊り上げ術(ウロリフト)

前立腺肥大症は男性の多くが抱える問題です。尿の勢いが弱い、夜中に何度も起きる、尿意が急に訪れトイレに駆け込む、ダラダラと出続ける。これらが典型的な症状です。過去、多くの治療方法が出ては消えを繰り返してきました。今でも標準と言えるのが経尿道的前立腺切除術(TURーP)です。長い歴史の中で、これが生き残っている基本の手術と言えます。手技は単純で麻酔をかけ、特殊な内視鏡を尿道から入れて、内側から出っ張った前立腺を電気メスで細かく削って尿道を太くします。とても良い手術ですが時に出血が多かったり、手術する人の腕にかかっている部分が大きいのが難点でした。そういう欠点をなくすべく出た治療が当院でも多く実施しているレーザー核出術(HOLEP)です。同様に麻酔をかけ、内視鏡を入れ、レーザーで腫れた肥大症をくり抜きます。解剖学的に肥大症の部分をきれいにくり抜くことができるので出血は少なく、結果もとても良いです。あえて欠点を言えば、くり抜いた肥大症を膀胱側に落として、それを細か苦する機械を使い体の外に出すのですが時間がかかる、またHOLEPも術者の経験によることも多い、があります。そんな欠点をさらに改善すべく最近、出た治療が経尿道的前立腺吊り上げ術です(詳細はHPに説明があります)。特殊な器械を尿道から入れて、尿道の中から前立腺の外に向かって特殊な針金状の物を刺し、それが前立腺を縮めてくれるので結果的に尿道が開いてくれます。数分で終わり副作用も少ないです。米国では外来で実施したりしていますが、当院では1泊はして頂いています。この治療の限界はとても大きな肥大症(>80グラム)や形(真ん中の肥大症が大きい、中葉肥大と呼びます)によっては向かない、があります(これらの場合はHOLEPが良いと思います)。しかし、内服薬を何年も飲み続けるより余程、負担の少ない良い治療と思います。肥大症でお薬を飲んでいる方はとても多いですが、この治療で通院もしなくて良い・薬もいらない状況に戻すことを考えても良いかもしれません。

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