When Screening for Prostate Cancer Comes Too Late

Dr. Ohori

When Screening for Prostate Cancer Comes Too Late

Wnen Sceeening for prostate cancer comes too late, late-stage diagnosis have risen and a decline in deaths has stalled(前立腺がん検診が遅くなると進行がんが増えて死亡率の低下も止まってしまう). 米国に住む叔父が送ってくれたWall Street Journalの記事です。もともと膵臓がんや肺がんと違い、進行がゆっくりで、多く発見される割には死亡率が低いために起こる話なのですが、特に米国の影響力のあるグループが前立腺がんのPSA検診に疑問を提示し、その結果、PSA検診を受けない人が増えました。これはコロナ出現のかなり前からの話です。その結果、前立腺がんと診断される人が減りましたが、逆に進行がんが増えてしまいました。既にいくつかの論文でこのことは指摘されており、結果として、折角減りつつあった前立腺がんの死亡率も増える可能性が指摘されています。血液のPSAが一般に普及する1980年代後半より前は、診断のきっかけは指で前立腺を触る、あるいは前立腺肥大症の手術で削った前立腺を調べたら前立腺がんだった、でした。結果として多くが進行がんで、当時は手術は普及せず、放射線もひどい(副作用が多く効果が少ない)治療で、多くがホルモン治療(去勢術:睾丸をとる)をしていました。PSAが普及し、症状もないし、指で触っても硬く触れない、しかしPSAが少し高いがために針生検(針を前立腺に刺し、前立腺の一部を取って顕微鏡で調べる)を実施され前立腺がんが見つかるパターンに変わりました。私が1990年に米国ヒューストン市のベイラー医科大学へ行き、研究した中の最も重要な課題は「PSAを契機に見つかった前立腺がんは重要な(命や生活を脅かすがん)がんかどうか」というものでした。結果は、詳細な病理に分析により、PSAで見つかったがんのほとんどは臨床的に重要ながんで、交通事故など他の原因で死亡した人に偶然見つかる前立腺がん(剖検がんと呼びます)とは違い、放置しておけば命や生活に問題を起こす可能性がある、という内容でした。その後は全世界的にPSA検診が普及しました。日本はいまだに地域差はありますが、市町村の検診でもPSAを取り入れることろが増えました。現在はどのがんも治療方法は進化していますが、どのがんも基本は早期発見・早期治療です。前立腺はPSAという素晴らしいマーカーがあり、さらに最近のMRIの進歩で診断効率も上がっています。50歳になったら(家族で前立腺がんの方がいる人は45歳)、PSAを一度測ってみて下さい!!

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