当院に排尿障害センターを設けました。泌尿器科の疾患の中で最も多いのが男性の前立腺肥大症による排尿障害です。当院で最も経験豊かな實重(さねしげ)先生にセンター長になってもらい、皆を牽引してもらうのと同時に、センター化することで患者さんも、さらに頼って頂けるのではないかと思います。肥大症の治療は日進月歩で、私が医者になった38年前は良い薬は全くありませんでしたが、現在は種々良い薬もあります。しかし、薬には限界があり、薬を飲みながらも夜中の回数が増える、トイレまで間に合わず漏れる、排尿してもすっきりしないなどの、あるいは尿が出なくなり(尿閉)管を入れている方には手術をお勧めします。手術も過去色々な方法が出てきましたが、当院では現在利用可能な方法はほとんど入っています。HOLEP(レーザーで肥大をくり抜く)、TUR(古くからある標準手術、電気メスで削る)、TUEB(TURと似ているが大きな肥大症にも有効)、吊り上げ術(ウロリフト、特殊な針金様の器具を入れ尿道を広げる)、Rezum(レジューム、水蒸気で治療する)などです。迷うほどありますが、それぞれの利点・特徴があるので担当医とよく相談してもらって選択してもらいます。どの手術も尿の通り道の尿道を広げることを目的としていて、結果として尿の勢いが良くなる、膀胱に残る尿が減る、その結果夜中の回数なども減ることになります。さらに当然ですが薬を飲まなくて良くなる、病院に行かなくて良くなるのも大きな利点だと思います。100歳時代を迎え、いつまでも元気に過ごすためにも「排尿のトラブル」も解決するのが良いと思います!!