以前(2024年6月9日)、前立腺がんに対する前立腺全摘手術後の再発に対する標準的な治療について説明しました。 標準的な治療は1)放射線+内分泌治療、2)放射線単独、3)内分泌治療単独、4)場合により何もせず経過観察(PSAが極めて低値で長期間経過している場合など)、に分けられます。 しかし、既に米国を中心に大きな変化があります。それはPSMA-PET検査の出現です。ほとんどの場合、手術後にPSAが0.2以上になってもCTや骨シンチでどこに病変(転移・局所再発)があるのかわかりません。しかし、PSMA-PETはCTや骨シンチの2倍くらい感受性が高く、病変がわかることがあります。特にPSAが0.5を超えると分かることが多くなります。その場合、病変に対して放射線をかけることが可能になります。現在、関東では2か所でPSMA-PETの撮影が可能です。当院でもPSMA-PETを実施して頂き、もし、病変がわかれば放射線治療を受けて頂く方が少しずつ増えています。その後の経過はさまざまで、もう少し長期間みないと結論は出せませんが、実際、放射線後にPSAが低下している方も多いです。 大きなジレンマは、従来の標準的治療は、PSAが0.5になる前に実施した方が結果が良いとされるため、日本でもほとんどの場合、PSAが0.2を超えた時点で標準的な治療である放射線を中心に行われています。ですから実際問題としてPSAが0.2を超えた時に、その後も0.5まで待つかどうかは悩ましい問題です。また、PSMA-PETで病変が抽出されなかった場合は、米国でも標準的な治療である放射線(前立腺が存在した場所やその周囲に放射線をかける)をする方が良いとされます。
問題点としては保険がきかないので自費となり約25万円かかります。PSMA-PETは手術後の再発だけでなく、全ての状況で意味がありますので、近い将来、普及して保険収載されるものと思います。次回はPSMA-PETはどの様な検査かを説明します。