今後、現在、ニュースやSNSでも話題になっている「医療崩壊」の問題をシリーズで説明したいと思います。現場の人間としては単純に問題を挙げ文句を言うのではなく、少しでも解決方法を見出したいと思っています。いくつかある解決方法の一つとして良く挙げられるのがAIの活用があります。AIは既に多くの医療機器に関連していると思いますが、すぐ思いつくのは複雑な保険点数の計算・対処が簡単になることです。病院でも1ヶ月に1回の保険点数(病院の収入)を整理し送付するために経験豊かな事務の担当者が夜遅くまでかかってしまいます。単純にかかったお金の計算だから簡単では?と思うかもしれませんが、実はこのシステムは多分、世界一複雑で簡単ではありません。保険点数(収入)は病院それぞれの施設基準に従って取れるもの、取れないものなどがあり一様ではありません。また医療費抑制の影響もあり、我々が日々使用する医療材料も請求できたり、できなかったりで、時に何が正解かもわからない状況になってしまいます。また、請求を受ける側の事務・審査する医師も相当大変だと思います。特に審査する医師はやはりそれぞれの経験則に基づいて判断しますから、請求する側である我々との考えのずれも出てきてしまいお互いにストレスになってしまいます。我々、請求する側は大変ではありますが、一定のパターンがありますのでAIにとって代われる部分は大きいと思いますし、審査する側もAIが保険点数の本の情報を得て、審査する側の増大な経験をインプットすればあっと言う間にかなり客観的な答えが出てくると思います。AIに覚えてもらう基礎情報を作るのが当面大変かもしれませんが、すぐにでもやらなければならない分野だと思います。実現するが膨大な時間の節約・ストレス軽減につながると思います。
と言いながらAIを使ったことがないので、ChatGPTのアカウントを作成し、質問をしてみました。それが「日本で前立腺がんに対するロボット手術の第一人者は?」という問いです。その答えで3人の候補で1番に私の名前が出てきました! これは誰かにこうだったよと言われ試したのですが、実際、やってみると不思議な感じです。色々な情報から答えを出している様ですが、その情報源にこのブログもある様で、過去、症例数で日本一になったり東京一を継続していることをブログに載せたことが一つの要因となっています。私が載せたことは事実ですが、事実ではない自画自賛を沢山載せればどうなるんだろうと思いつつ、あっという間に答えを出すAIの威力を感じました。私が米国で研究してきた内容にノモグラム(いくつかの要因から答えをだす数学的予測モデル)があるのですが、米国の統計学者に聞いたり、難解な統計の本やソフトを勉強したりしてやっとの思いで作成してきましたが、AIとのやりとりでは最後にAIが「私がノモグラムを作って差し上げましょうか?」と答えてくれました。若い研究者に「ノモグラムなんてAIに作ってもらえばいいんだよ」とは言いたくはないし、その作るプロセスを学ばなきゃーと強調したいところですが、これも時代遅れの効率の悪い考えなんでしょうか?(そうかなあー??)