最近、これまでの内視鏡では確認することが難しかった小さながんや平坦な膀胱がんを、手術約2時間前に5-アミノレブリン酸という薬を服用していただき、特殊な光を発する膀胱鏡を用いることでがんを赤色に蛍光発光させて、より確実にがんを診断する技術が用いられるようになってきました。 当院ではこの技術を導入し、内視鏡手術(TUR-bt)の際に光線力学診断を用いることで、より確実にがんを切除し、できる限り再発を減らすことを実施しています。この肉眼では“見えないがん細胞”を見えるようにするための新技術が「5-アミノレブリン酸 (5-ALA)を用いた光線力学診断(PDD) (ALA-PDD)」です。手術前に5-アミノレブリン酸と呼ばれる薬剤を服用し、手術時に青色の光を発する膀胱鏡を用いることで、がんを赤色に蛍光発光させ可視化することが可能になります。実際にこの技術を用いたTUR-bTを行い、白色光でのTUR-bTと治療成績を比較した無作為研究では、4年後、8年後の再発率は、白色光でのTUR-bTでは31%、48%であったのに対し、光線力学診断を用いたTUR-bTでは9%、20%と大きく低下することが証明されています。光線力学診断を用いたTUR-bTを行うことで、再発までの期間も有意に長くなることもわかりました。 当院での成績はこれから確認していきますが、明らかに再発して何度も手術する方は減っています。