公平って何?

Dr. Ohori

公平って何?

一昨日、三鷹医師会関連の高齢者疾患学術講演会でPSA検診に関して講演する機会を頂きました。既に3つの研究から検診をすることで21%から60%までも死亡率が下がることがわかってます。中国では前立腺がんの頻度は少ないですが、発見された時、50%は進行癌です。とは言っても日本でも10%近くは進行がんで見つかります。全体と見ると前立腺がんは膵臓がんや肺がんと異なり、ゆっくり進行するがんですが、そうは言っても着実に死亡率は上昇し、現在第6位になっています。米国では1990年頃からPSA検診が始まりましたが、そのお陰もあって死亡率は大幅に減少しました。色々考えるとPSAを測定することの大切さは明らかです。一つ面白い研究があって、男性医師を調べたら、泌尿器科医の95%、泌尿器科以外の医師の78%がPSAをチェックしているとのこと。これが示すところは明白で専門知識を持っている人は早期発見・治療するためにPSA検査を積極的にやっているということ。PSA検診の効率や経済性や色々、問題はありますが、専門家が自分で良かれと思ってやっていることですから、本来は医師以外の人、みんなに勧める、少なくとも機会を提供することが当たり前ではないかと。「公平って何だ?」と考えさせられました。

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