Web学会

Dr. Ohori

Web学会

今や多くの学会・会議がWebで可能となり、またそうしなければならない時代になってしまいました。多分、コロナが解決方向に行けば、元どおり実際に参加する学会も復活するのだと思いますが、一方でWeb学会の形式も続くのだろうと思います。今、日本泌尿器科学会東部総会が開かれています。中身はとても良く出来ていて講演・発表も見やすい・聞きやすいですし、種々の登録も慣れてしまえばとても楽です。わざわざ、新幹線に乗り、電車を乗り継いで行かなくても内容としては十二分に理解できるものと思います。私が医者になった頃と今ではWeb学会の話抜きでも随分、様変わりしました。昔はまず、学会での発表の準備が大変で、何しろコンピュータがありませんでしたから、スライド作りが大変で、もう詳細には思い出せない部分ありますが、その当時は製薬メーカーの営業マンとの関連も深く、とにかく文献集めやスライド作りとなると彼らのに手伝ってもらってやっとと言う感じでした。一生懸命作っても学会数日前に先輩・同僚の前で発表の練習をすると「ここ違う、誤字がある」など山ほど、指摘をもらうのですがスライド作りに時間がかかるのでいつも「間に合うのか?」と言う言葉が出ていました。そう言えば、せっかく作ったスライドを忘れて学会上の雛壇で茫然としていた先輩もいました。発表する方は大変ですが、ただ参加する人は全く逆でその当時は学会=遊びと考えている人が多く、だんだん学会が近づくとそわそわ、私の所属していた大学はゴルフ部出身の人が多く、学会場の近くのゴルフ場を予約し、朝早く学会場に行って参加登録だけして(昔は他の人に頼む人もいました)、後はゴルフ・宴会コースと言う感じでした。古き良き時代かもしれませんが。学会場はと言うと後ろの方に座っている人の多くが居眠りをしていて、発表をよく聴けるのはどこかと言うよりは、どこで気持ちよく寝れるかかが問題な感じもしました。アメリカの学会に参加して驚いたのはまず居眠りをしている人はいない。後ろに座っていても聞いていて、質問に立つことも当然。だいぶ熱気が違うなと思いました。今は、流石に夜は各地で美味しいものを仲間と食べる機会くらいはありますが、朝から夕方まではしっかり学会場で勉強という感じです。一つは専門医になったり維持するのに一定の点数が必要で、その点数を取るためにも学会参加や講演を聞くのが必須になったからです。さらに今はWeb学会、Web学会の利点も感じていますが、やはり、実際に集まって議論し実感するのも大事だなーと感じます。

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