病院のホームページに無料ネット相談があり、多くの方から質問・相談をもらっています。相談の中身も様々です。泌尿器科の対象は高齢の方も多いので、ご本人からではなく家族からの相談も多く寄せられます。色々なパターンがありますが、一つは現在、他の病院にかかっているが担当の先生からの説明がない、わからない、聞きにくいという相談です。当然ですが、わからないので提示された治療方法に疑問が生じて、このままで良いですか、ということになります。限られた情報の中で正しく適したお答えをするのは簡単ではありませんが、標準的なこと、教科書的なことにプラスして自分自身の経験を踏まえ、お答えしています。担当の先生がしていること、ほとんどが妥当なことをしていると感じますが、たまに、どうなんだろう?、これは違うんじゃないか?と感じる内容があります。泌尿器科と言っても幅が広く、悪性腫瘍・良性腫瘍・排尿障害・感染症・外傷・先天性疾患・腎尿管結石・男性不妊・EDなどなどあります。それぞれの分野も奥が深く日進月歩で発展しています。どの分野にも精通はしているべきですが、100%の答えをいつも出せるわけではありません。中には泌尿器科の先生でもこの分野が不得意な人が、あるいは経験の浅い若い先生が出した答えをもとに治療されているのではないかと感じることがあります。ネットだけでは不十分ですので、そういう方に対しては一度受診して見て下さい、ということになります。結果として、それまでしてきたことと別な治療方法などを提示するとかなり驚かれます「今までそんな説明は一度もなかった」と。最近も、今まで何年にも渡って排尿障害で苦しんでいた比較的若い方が当院で手術を受け、完治し、驚き大変喜んでくれました。最近でこそ、「がん」の治療方法などについてのセカンドオピニオンは普及してきましたが、がんでなくても、どんな疾患でも他の先生の意見を聞くことは大事だと感じました。無料ネット相談も1回で終わらず何回かやりとりすることも多いので、周りからは有料にしても良いくらいだと言われますが、きっかけとしての無料ネット相談は大切だと実感しています。