アンデシユ・ハンセンというスウェーデンの精神科医の著書「スマホ脳」(新潮新書、久山葉子訳)を読んでいます。もうとっくにスマホは生活から切り離せないものになっていますが、多くの人がスマホに占拠された様な生活はどうなんだろうと感じているのだろうと思います。そんな我々の思いを反映するかの様に「スマホ脳」はまさしく色々な角度から問題を指摘しています。デンマークの1000人の実験ではスマホを1週間やめたり、時間を減らしてみたりしたら、結果としてストレスが減り、人生に満足感を感じ、周囲の人達と顔を合わせる時間が増えた、とのこと。まあ、容易に想像できる結果ですよね。電車に乗るとほとんどの人がスマホを見てラインする、ゲームをする、映画・動画を見るなどしています。何か恐ろしい光景です。たまに学生や元気の良い外人さん達が入ってきて談笑すると、「うるさいなー」という感じでスマホ人が見ますが、どちらが変かと言えば、全員揃ってスマホを見ている方ではないかとも感じます。スマホが出だした当時は、電車の乗り降りでスマホを見ている人がペースを見出し、イライラすることがありましたが、今はそれほど感じません。慣れたからかもしれませんが、今は、かなりの人がスマホ歩きをしているから全体的にスローになったのかもしれません。電話はもちろん、綺麗な写真は取れる、メール・ラインも簡単にできる、ニュースも確認、動画は見れる、ホテルの予約、映画館の予約、新幹線の予約も取れる。株・投資だって指一本でできる。スマホでとんでもなく便利になりました。間違いなく便利になりました。一方で知り合いの一流企業の社長たちがガラケーを使い、全て電話ですまし、新聞を読んでいる姿を見ると、どうもこっちの方が豊な生活ではないのかーとも感じてしまいます。「スマホ脳」を読みながら、そうだよなーと相槌ちをうっているとニュースで、大手4社が携帯料金値下げ、無制限にーという発表をしていました。政府の「携帯料金高すぎる」はそうだと思うし、安い方がやっぱり良いとは思いますが、このことで実は国民の幸福度は減っていくのも間違いないなと思います。便利なものを一旦手にすれば捨てることはできません。自分でスマホの時間を制限する、子供も時間制限する、を何とかやっていくしかないかなと思います。人との距離も本当は数枚の10円玉片手に公衆電話へ歩いて行き、切々と話すくらいが良いのかも、ですね。もう公衆電話も滅多にお目にかかりませんが。