ロボット支援前立腺全摘時のリンパ節郭清について

Dr. Ohori

ロボット支援前立腺全摘時のリンパ節郭清について

当院は開院から7年で1300例以上のロボット支援前立腺全摘を実施しており、日本有数の数を実施しています。前立腺がんと言っても一様ではなく、早期がんから進行がんまで様々です。特に中リスク以上の前立腺がんに対する手術の時に、前立腺の周囲にあるリンパ節をとるリンパ節郭清(かくせい)をすることが推奨されてきました。手術前のCT検査などでリンパ節がはれていなくても、採取して顕微鏡で調べるとリンパ節に前立腺がん細胞がみつかる(転移)ことがあるからです。かなり以前から、リンパ節郭清をすることの意義が問われてきましたが、最近の報告では病期診断(病気の広がりを確認する)には意義があるが、治療的意義(再発を減らす、予後を改善する)はないと結論づける報告がほとんどです。またリンパ節郭清は基本的に安全な手術手技ですが、手術後のリンパの漏れや感染、手術時間の延長、足のむくみなどを起こすこともあり少ないとはいえ、問題もあります。そこで、当院では超高リスクの患者さんのみに推奨することとしました。もともと超高リスクの方ではリンパ節郭清で20〜30%にリンパ節転移がみつかるので、その後の追加治療の判断にも役立ちます。超高リスクに当てはまる方は、1)画像診断で精嚢浸潤や隣接臓器への浸潤が疑われる臨床病期T3b-T4、2)生検検査でグリソンスコア8−10を示すがんが5本以上にみつかる、3)PSA20以上、グリソンスコア8−10、臨床病期T3a以上の因子が複数存在する、となります。手術の相談の際には担当医にご確認ください。

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