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過活動膀胱の新しい治療法 仙骨神経刺激療法(SNM)

過活動膀胱の新しい治療法

仙骨神経刺激療法(SNM)

(Sacral NueroModulation)

(SNM:Sacral NueroModulation)

排尿に関連する仙骨神経へ 持続的に電気刺激を与えることによって、 過活動膀胱の症状の改善を図る治療法です。

低侵襲治療健康保険適用

    

過活動膀胱とは

「過活動膀胱」とは、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮するという病気で、急に尿がしたくなって我慢ができず(尿意切迫感)、トイレに何回も行く、夜中トイレに何度も起きる(切迫性尿失禁)、我慢できず尿が漏れてしまうなどの症状が出現します。 過活動膀胱はよく見られる病気で、高齢者であるほど頻度が高く、高齢化社会の日本では現在1000万人以上の男女が罹患する頻度の多い病気です。70歳以上の4-5人に1人が過活動膀胱になり、男性の方が少し多いと言われています。脳卒中、パーキンソン病などの脳や脊髄の病気のために、膀胱をコントロールする神経に異常をきたし過活動膀胱を生じたり、前立腺肥大症による排尿障害のために、膀胱に長い間負担がかかり膀胱が過敏になる、などの原因で発症します。また、加齢による老化現象として起こったり、原因が不明(明らかな原因疾患がない)のことも少なくありません。最近は膀胱の血流障害や膀胱の炎症が過活動膀胱の原因と報告されておりますが、いまだ明確な原因はわかっていません。

過活動膀胱の説明 過活動膀胱の説明

過活動膀胱の治療は?

過活動膀胱の治療はまず生活指導(水分の取り方を見直す、便秘の改善、適正体重を目指す、今飲んでいる薬を見直すなど)行動療法(尿意切迫感を少しだけ我慢する、骨盤底筋体操を毎日おこなう)を行い、あまり改善しない場合、飲み薬による治療を行います。飲み薬は、抗コリン薬(膀胱の異常な収縮を抑える薬、ベシケア、ウリトス、トビエースなど)やβ3アドレナリン受容体作動薬(膀胱の筋肉を緩めて尿を溜めこめるようにする薬、ベタニス、ベオーバなど)。しかしこれらの治療でも症状がよくならないことがあります。 海外ではこのような治りにくい過活動膀胱に対して以前より仙骨神経刺激療法(SNM)が行われています。日本でも2017年9月から健康保険を利用して治療が出来るようになりました。この治療は過活動膀胱だけでなく、便失禁、また排尿困難を伴う低活動膀胱にも有効で、全世界で約25万人の排泄障害をみとめる患者さんに治療が行われています。

    

SNMとはどんな治療?

SNMとはSacral NueroModulation: 「仙骨神経変調療法」のことを言います。会陰部や骨盤部を支配する仙骨神経に持続的に電気刺激を与えることによって、過活動膀胱の症状の改善を図る治療法です。持続的に電気刺激を行うため、心臓ペースメーカのような装置を体内に植込みます。アメリカでは1997年に治療承認がされ、多くの患者さんに対して治療が行われています。日本でも2017年9月から健康保険が適用されました。SNMは低侵襲(身体への負担が少ない)でしっかりとした効果が得られる外科治療です。お尻の皮膚の下(皮下)に装置を植え込みます。まずは試験刺激と言って、神経に電気刺激を与えるお試し期間をもうけたうえで、有効であると考えられる患者さんのみ、永続的な植え込み術を行います。機器を抜去すれば、ほぼ元の状態に戻ることができます。

SNMの治療の説明

SNMはどんな患者さんが適応になりますか?

SNMは行動療法や薬物療法といった通常行われる治療を少なくとも2~3カ月継続しても頻尿や、尿失禁などの症状が改善しない場合や、薬の副作用で治療の継続が困難である患者さんが適応となります。問診票やパッドテスト(尿漏れの程度を測るテスト)などを行ったうえで、治療適応を決定していきます。

SNMの治療効果:どのくらい効くのか?

欧米を中心に数々の臨床試験が行われ、その効果が証明されています。米国で行われた臨床試験では、治療開始3ヶ月の時点で、1日の尿失禁の回数が約4割の患者さんで0回になりました。また、約8割の患者さんで手術前の半分以下に減りました。頻尿の患者さんでは、約7割の方が8回未満の通常の排尿回数となりました。これらは、1年後も効果が持続することがわかっています。神経や脊髄の病気(脳卒中、糖尿病による神経障害、脊髄疾患など)にともなう過活動膀胱は治療成績がやや落ちる傾向にあると言われています。

    

SNMの治療の流れ

  1. SNMの診察

    診察

    治療適応があるかどうか、診察(問診票)、検査(残尿測定など)で判断します。また排尿記録をつけていただき、現在の排尿の具合をチェックします。

  2. SNMの治療の説明

    治療の説明

    担当医師から治療の説明をさせていただき、治療を実施するかどうか決定します。

  3. SNMのリードの挿入

    リードの挿入

    入院で行います。SNM(仙骨神経刺激療法)の効果を測定するために、臀部(お尻)の皮膚から仙骨神経の近くに刺激電極となる細いリードを挿入します。
    麻酔をかけて行います(局所麻酔あるいは全身麻酔)。手術時間約1時間。

  4. SNMの試験刺激期間

    試験刺激期間

    挿入したリードに体外から電流を流して刺激電流を流します。不快な症状がない程度に刺激調整を行います。刺激期間は1~2週間で、実際に排尿記録やアンケートを用いて治療効果を判定します。

  5. SNMの刺激装置の植込み

    刺激装置の植込み

    ある程度の効果が期待できる方はリード線を電池に接続し、体内に埋め込むための手術を行います。手術は30分程度で局所麻酔あるいは全身麻酔で行います。
    もし、効果が認められない場合は、刺激装置の植込みは行わずリードを抜去します。試験刺激で効果がみとめられない患者さんには、本治療を実施することはできません。

  6. SNMの経過観測

    経過観測

    埋め込み後の治療効果をみるために外来で経過観察を行います。
    患者さんは、患者さん用のプログラマを用いて、ご自身で刺激のオン/オフや刺激強度の調整を行うことができます。
    日常生活で注意する事項をお知らせするため、仙骨神経刺激療法手帳とカードをお渡しします。また必要な安全情報の提供を迅速に行うため、機器の製造販売元に埋め込み情報の登録を行います。

SNMの合併症にはどのようなものがありますか?

傷や機器の感染症の発生率が3%、電気刺激による違和感や疼痛が12%程度に生じると報告されています。埋め込み後は激しい運動は機械の損傷に繋がる恐れがあり控えていただきますが、通常の車の運転や適度の運動は問題ありません。

注意点

  • 器械の植え込み後は核磁気共鳴装置(MRI)検査はおこなうことが出来ません(植え込んだ電極、また電池の部分に熱を発生して熱傷などの合併症が生じる危険性があります)。
  • 器械の植え込み後はジアテルミー療法(電気透熱療法)は施行出来ません。
  • 空港などでの金属探知機に反応することがあります。

SNMはこれまで治療が難しかった難治性過活動膀胱の新しい治療として期待されています。
この治療に関し、ご相談がある患者さんはお気軽に外来担当医にお尋ねください。

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