前立腺がん 放射線治療後再発の治療戦略
外からあてる放射線(IMRTや重粒子)、中からあてる小線源療法の治療後にも再発することがあります。手術と違い、治療後に年月が経ってからの再発が多いですが、前立腺を摘出する手術と違い、ややわかりくさがあるので、十分に担当医と相談して治療を考える必要があります。
再発の定義
一般的には治療後のPSA最低値プラス2.0で再発とします。例えば治療後PSAが0.3まで下降したら、その後2.3以上になると再発となります。また、プラス2.0以上にならなくてもPSAの上がり方が急な場合にも再発として治療を開始することもあります。
その他の再発確認の検査
放射線後の再発は手術後の再発と違い曖昧なことが多いので、PSAがプラス2.0以上になった時に、選択肢として他の検査(前立腺のMRI検査、前立腺の針検査)で確認することがあります。しかし、これらの検査は放射線の影響で解釈しにくいことが多いので検査しても明確にわからないことも多いです(針検査であっても)。また、転移がないかどうか確認の検査(全身のMRI検査、骨シンチグラフィー)もします。
治療方法
PSAの上昇のみで明らかな転移がない場合
全摘手術
日本では手術の難しさから積極的に実施していない施設が多いですが、手術も大切な選択肢です。特に比較的年齢が若い方に対して当院では積極的に実施しています。
内分泌治療
日本では内分泌治療を選択する医師がとても多いです。内分泌治療は激的にPSAを下げてくれることが多いですが、長期に渡り、副作用の問題も少しずつ出てきます。また最初の内分泌治療が効かなくなると去勢抵抗性前立腺がんと名前が変わり、厳しい状況になっていきます。
その他の治療
前立腺に対する凍結療法、超音波治療、もう一度放射線(小線源療法)などの選択肢がありますが、実際は極めて稀な選択肢です。
PSAの上昇とともに転移がある場合
内分泌治療
この場合も日本では内分泌治療を選択することが多いです。
放射線治療
骨シンチグラフィー、CT、MRIなどで骨転移・リンパ節転移の場所が明らかな場合に、放射線をピンポイントであてる治療もあります。