尿に血が混じる。血尿を指摘された
血尿とは
おしっこに血が混じって眼に見える肉眼的血尿と健康診断や病院での尿検査で「おしっこに血が混じってます」「尿潜血陽性です」と指摘される眼に見えない顕微鏡的血尿にわかれます。肉眼では見えない顕微鏡的血尿は尿を作る腎臓や尿の通り道に潜む重要な病気のサインであることがあります。肉眼的血尿はさらに重大な病気のサインの可能性があります。たとえば膀胱がんの60〜70%は肉眼的血尿で発見されます。血尿が出た後、症状がおさまっても放っておかず泌尿器科を受診することをおすすめします。一方で検診や人間ドックなどで尿潜血を指摘されることも少なくはありません。目でみて尿の色が正常の場合も、尿潜血が、がんなどの重大な病気の危険信号の場合がありますので泌尿器科を受診することをお勧めします。
血尿の原因となる主な疾患
悪性腫瘍
悪性腫瘍は生命を脅かす危険があるため、早期発見が必要です。そのなかには、膀胱がん、腎がん、前立腺がん、腎盂がん、尿管がんなどがありますが、特に膀胱がんは血尿で診断される悪性腫瘍の中で最も多いがんです。
結石・膀胱炎など
腎・尿路結石症では、肉眼的に尿に血が混じり、痛みを伴うことも多いですが、ほとんどの症例で顕微鏡的血尿をともなっています。膀胱炎でも、膿尿と血尿を伴う場合があります。まれではありますが、腎臓の血管の奇形でも血尿をきたすことがあります。
これらの病気を早く発見するためには、健診や人間ドックなどによる尿検査が重要です。血尿が見つかった場合には、症状がないからと放っておかず、早めに専門医の受診をおすすめします。
血尿の検査
泌尿器科では尿検査の他にまず超音波検査を行います。超音波検査は痛みもなく、がんや尿路結石の有無などさまざまな情報が得られる有用な検査です。もし、なんらかの疾患が疑われた場合には、さらにCTやMRI、採血、膀胱鏡などいろいろな検査を行っていきます。尿のなかに癌細胞が混じってないか尿細胞診という検査を行います。また、痛みの少ないやわらかい電子スコープを用いて膀胱の中を観察します。いずれの病気にしても、早く見つかれば、それだけ体に負担の少ない治療が可能になります。おしっこをしていて、あれ!と思ったら、近くの病院でまず尿検査を受けましょう。