精巣腫瘍(精巣がん)の治療について
精巣腫瘍(精巣がん)とは
陰嚢が腫れる病気には様々なものがありますが、その中で最も注意しなければならないのが精巣腫瘍です。
精巣腫瘍のほとんどは悪性腫瘍で、放置すると生命にかかわる事があります。早期であれば、片側の精巣摘除(高位精巣摘除術)のみで完治を目指すこともできますので、陰嚢(精巣)が腫れた、大きくなったと感じた場合には、早急に泌尿器科を受診されることをお勧めします。
また転移をしていたとしても、化学療法や場合によっては追加手術(後腹膜リンパ節廓清術)を行うことで治癒する確率も高く、「治せるがん」の代表とも言えます。
精巣腫瘍は10代後半から30歳代にかけて発生することが多く、受診をためらう方が多い傾向にあります。早期に治療を行うことが非常に有利であり、早急な受診を検討してください。
その他、陰嚢が腫れる原因には、精巣上体炎、精巣炎、精索静脈瘤、陰嚢水腫、精液瘤などが考えられますが、鑑別が難しい場合もあり、泌尿器科専門医と相談してください。
精巣腫瘍(精巣がん)の治療法
病期StageⅠ期
転移がみられないもの。高位精巣摘除術を行い、慎重に経過観察を行う。
病期StageⅡ期
横隔膜以下のリンパ節に転移があるもの。高位精巣摘除術後に、化学療法(抗がん剤治療)が3コースから4コース行う(1コースは約3週間)。手術による病理結果次第では、放射線療法が選択される場合もあり。
病期StageⅢ期
遠方のリンパ節に転移があったり、肺やほかの臓器に転移があるもの。化学療法やリンパ節廓清術などを組み合わせ集学的な治療が必要。