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経尿道的前立腺核出術(TUEB)について

経尿道的前立腺核出術(TUEB)とは

薬物療法で治療効果が不十分な前立腺肥大症に対しては経尿道的前立腺切除術(TURP)が標準手術として行われており、当院では従来型の手術(TURP)をより安全で高い治療効果が期待できる生理食塩水還流経尿道的前立腺切除術(b-TURP)を施行してまいりました。(b-TURP)は手術時間の短さなどの長所もありますが、肥大の大きな前立腺の場合は、手術中の出血量の増加や術後の再肥大化などが発生するなどの欠点がありました。
そこで当院では、その欠点を補うために、経尿道的前立腺核出術(transurethral enucleation with bipola:TUEBチューブ)という手術法を導入いたしました。
このTUEBという方法は従来型の手術のように肥大した前立腺を「削り取る」のではなく、前立腺を包んでいる皮(被膜)からバイポーラシステム(放電)を用いて、剥がして「くり抜き」ます。「くり抜いた」前立腺は膀胱の中で細かく切り刻んで取り出します。前立腺をミカンに例えると、従来型のTURP手術はミカンを内側から削り取るため、途中で果汁(血液)が多く出てしまいます。このチューブという方法ではミカンの果実の部分を皮から、まるごと剥がしてしまうので果汁(血液)が漏れ出しません。つまり手術中の出血が少なくて済む為回復も早く、残存組織がないため、良好な排尿状態が長期に維持されることが期待できます。

経尿道的前立腺核出術(TUEB)
画像提供:NHK
生理食塩水潅流(かんりゅう)経尿道的前立腺切除術(bipolar-TURP)
画像提供:NHK
TUEBをみかんに例えると

TUEBのメリットデメリット

メリット

  • この方法は、術後の血尿も少なく尿道カテーテルを早期に抜去できる為、術後入院期間が短縮できます。
  • 前立腺そのものをくり抜く手術のため腺腫(肥大症)の残存がほとんどありませんので、良好な排尿状態が長期に維持されることが期待できます。

デメリット

  • くり抜いた前立腺を摘出するために膀胱内で細切する必要があり、手術時間が従来法のb-TURPに比べて1時間ほど長くかかり、前立腺の大きさにもよりますが1時間30分から2時間30分ほどの手術 時間を要します。
  • 尿道カテーテル抜去当日の尿漏れのある方が多いようですが、翌日には軽快する方がほとんどです。