経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)とは
UroLiftシステムによる治療法は「経尿道的前立腺吊上術」とも呼ばれ、米国泌尿器科学会と欧州泌尿器科学会の両方のガイドラインにて、前立腺肥大症の治療として経尿道的前立腺吊上術が推奨されています。世界中の一部の市場で、30万人以上の男性がUroLiftシステムで治療を受けています。
経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)
前立腺の中にインプラントを埋め込み、尿の通り道を開通させ、排尿できるようにする治療法です。
今までの前立腺肥大症の手術と違い性機能を温存できる(逆行性射精や勃起機能不全が起こりにくいと)と期待されております。
Urolift治療動画(1分44秒)
軽尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)が有効な排尿障害
前立腺肥大症
尿の通り道である前立腺が肥大し、通り道を塞いでしまう病気です。
東京国際大堀病院における「Urolift」の方法
- ①外来の膀胱鏡(内視鏡)室、あるいは手術室で行います。
外来治療も可能ですが、ステントを挿入した後に尿がきちんと出せるかを確かめる必要がありますので、短期間の入院が推奨されます。 - ②処置の時間は30分程度です。
- ③尿道に麻酔薬の入ったゼリーを注入し麻酔を行います。この麻酔で治療中はあまり痛みを感じません。痛みを気にされる場合には全身麻酔で行うこともあります。
- ④膀胱鏡を尿道に挿入し、インプラントを埋め込み閉塞の原因となっている左右の前立腺葉を圧迫し、牽引します。
- ⑤ご自身で排尿できるかを確認して治療終了です。
※血液をさらさらにする薬(抗血小板薬)を内服されていても治療は可能です(中止できる場合は一時的に中止します)。
経尿道的前立腺吊り上げ術(Urolift)の合併症
尿道の痛み・違和感
治療後2〜3日で改善します。痛み止めなどを使用し対応いたします。
尿路感染症
稀に前立腺炎、膀胱炎などのばい菌感染症が起きることがあります。治療の際には抗生物質の投与を行います。
肉眼的血尿
血尿が出ることがありますが、数日以内に改善します。
尿失禁
術後一過性に軽度の尿失禁が生じることがありますが、本手術では尿道括約筋は温存されるため大多数では速やかに改善すると報告されております。
結石付着
長期的には結石がインプラントにまとわりついてしまう可能性があります。
その場合には結石除去、インプラント除去処置を要する場合があります。
排尿困難
治療後も、うまく排尿ができない場合があり得ます。その場合はやはり尿道カテーテルを再度入れなければなりません。
最後に
本治療後にやはり尿道カテーテルに戻したいという患者さんもいらっしゃるかと思います。インプラントは抜くことができ、治療前の状態に戻ることができますので、一度試してみる、といったことも可能です。
また、本治療は医療保険が適用されます。また高額療養費制度が利用可能です。費用は、病院窓口でお尋ねください。
尿道カテーテルは一旦挿入されてしまうと、あとは特別な検査などがなされず、永久的に交換が続くということがよくあります。尿道カテーテルが付いたままの生活は、患者さんもご家族にとっても決して楽なものではありません。本治療で絶対に尿が出せるようになるとは言えませんが、抜ける可能性を目指し、一度試してみるべき治療法と言えます。治療をご希望の方は、是非一度 東京国際大堀病院 泌尿器科外来でご相談ください。