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BCG膀胱内注入療法+イミフィンジ

BCG膀胱内注入治療法プラスイミフィンジ。膀胱温存成績の改善が期待される治療です。
BCG膀胱内注入治療法プラスイミフィンジ。膀胱温存成績の改善が期待される治療です。

BCG膀胱内注入療法+イミフィンジ(デュルバルマブ)併用療法について

BCG+イミフィンジ(デュルバルマブ)併用療法は、高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)に対する新しい免疫療法です。BCGを膀胱内に注入して局所の免疫反応を活性化し、イミフィンジを点滴投与してPD-L1を阻害することで、抗腫瘍免疫を増強します。POTOMAC臨床試験では、BCG単独療法と比較して、再発・進展リスクを約32%低下させました(ハザード比 0.68)。
BCGは導入・維持療法を行い、イミフィンジは原則4週ごとに最大約1年間投与します。免疫関連有害事象(肺炎、大腸炎、肝障害、内分泌障害など)に注意が必要ですが、膀胱温存成績の改善が期待される治療です。

BCG+イミフィンジはなぜ効くのか

PD-L1は、がん細胞が免疫細胞からの攻撃を逃れるために利用する「ブレーキ」のような働きをするタンパク質です。本来、私たちの体には、がん細胞を見つけて攻撃する免疫細胞(T細胞)があります。しかし、がん細胞の表面にあるPD-L1が、T細胞のPD-1という部分に結合すると、T細胞の働きが弱まり、がん細胞が生き残りやすくなります。イミフィンジは、このPD-L1の働きを妨げ、免疫細胞にかかったブレーキを解除する薬です。 その結果、免疫細胞が再びがん細胞を攻撃しやすくなります。

BCGは膀胱内で免疫を刺激し、イミフィンジは免疫のブレーキを解除することで、両者が協力してがんの再発を防ぐ効果が期待されます。

BCG+イミフィンジはなぜ効くのか

誰が対象か

この治療は、膀胱がんが膀胱の筋肉の層までは入り込んでいないものの、再発したり、進行したりする危険性が高い患者さんを対象としています。具体的には、次のような患者さんです。

  • がんの悪性度が高い方:がん細胞の性質が悪く、再発や進行の危険性が高い方
  • がんがやや深いところまで広がっている方:膀胱の粘膜の下まで広がっているものの、筋肉の層には達していない方(T1)
  • 上皮内がん(CIS)がある方:膀胱の表面に平たく広がり、再発や進行の危険性が高いタイプのがんがある方
  • がんが何度も再発し、複数あり、大きい方:再発や進行の危険性が高いと判断される方

基本的には、内視鏡手術で目に見えるがんを取り除いた後、再発や進行を防ぐ目的で行います。特に、これまでBCG治療を受けていない高リスクの患者さんが主な対象です。

ただし、すべての患者さんにこの治療が適しているわけではありません。がんの進行リスク、年齢、全身状態、副作用の危険性などを考慮して判断します。また、非常に進行しやすいタイプのがんでは、膀胱を摘出する手術が勧められる場合もあります。

治療のスケジュール

イミフィンジは約1時間の点滴を4週間ごと、約1年間継続します。

BCG膀胱内注入療法は導入時には週1回を6回実施します。その後、維持療法として3・6・12・18・24か月目に各3回実施します。

治療のスケジュール

副作用

POTOMAC試験では、入院や治療の中断が必要になるような重い副作用が、BCGとイミフィンジを併用した患者さんでは約5人に1人(21%)、BCGだけで治療した患者さんでは約25人に1人(4%)に認められました。つまり、イミフィンジを併用すると、重い副作用が起こる割合は約5倍になるため、治療中は十分な注意が必要です。

BCGの主な副作用:血尿、膀胱炎症状(頻尿、排尿痛、尿意切迫感)、発熱、倦怠感

イミフィンジの主な副作用:発疹、かゆみなどの皮膚症状、下痢・大腸炎、肝機能障害、甲状腺機能障害(労感、動悸、体重変化)、間質性肺炎(咳、息切れ、呼吸困難)、腎機能障害